同じ商品でも仕入れた時期によって仕入価格が違う場合の記帳方法には、先入先出法と移動平均法があります。
先入先出法
先に仕入れた商品から順番に引き渡したと考えて売上原価を決定し記録する方法。
移動平均法
違う単価で仕入れる度に平均単価を計算して記録する方法。
計算式で表すと、
平均単価=(残高金額+仕入金額)÷(残高数量+仕入数量)となります。
例えば、 繰越商品残高が20個・単価1,000円(合計金額20,000円)のところに同じ商品を90個・単価950円(合計金額85,500円)で仕入れ、その後100個売った場合。
先入先出法で商品残高を記録すると、商品販売時に単価1,000円のものを20個、単価950円のものを80個引渡した考えるので、商品残高は単価950円のものが10個残っていることになります。
同じ取引を移動平均法で記録すると、 商品90個を単価950円で仕入れた時に仕入単価を平均する計算をするので、
平均単価は(20,000+85,500)÷(20+90)≒959となり、
数量110個、合計金額10万5,500円の商品残高があると考えます。
商品販売時は単価959円で100個、合計9万5,900円分を引渡したと考えるので、商品残高は数量10個(110-100)、合計金額9,600円(105,500ー95,900)、単価960円(9,600÷10)となります。
以上のように同じ取引でも、先入先出法と移動平均法では商品残高の金額が違ってきます。